みなさんこんにちは。
若手歯科医師や歯科衛生士を対象として定期的に活動しているスタディーグループの歯想会です。
2018年3月4日に広尾の麻布デンタルアカデミー講義室にて、第15回例会を開催しました。
今回お話いただいた概要をご報告致します。
①大島 俊彦 先生(RKデンタルオフィス麻布十番)
「フェルール不足による補綴困難歯への対処法」という題目でお話いただきました。
縁下カリエスや歯根破折への対処法としての矯正的挺出(エクストリュージョン)があります。
垂直性骨欠損・歯根破折・フェルール不足・歯肉縁下カリエスなど大島先生の臨床5症例を論文などの研究データを交えながらお話いただきました。
②柿木 辰美 先生(KU歯科クリニック 表参道)
「咬合崩壊を起こした症例に対する治療計画の提案」という題目でお話いただきました。
全顎的なペリオと欠損に対する補綴治療計画のお話だけでなく、患者さんの親身になって初診時にできるだけのことをしている先生の姿勢をお話の中から聞くことができました。
治療計画のバリエーションとそれを伝えるタイミングも重要視していて、なるべく患者さんを途絶えさせずスムーズに診療行っている工夫をお話いただきました。
また今後の歯想会例会でインプラントでの治療の経過を報告してくれるとのことで、今後も楽しみにしています。
③大矢 恭太郎 先生(ハート歯科クリニック)
「すれ違い咬合を防ぐ為に、二次固定による欠損補綴をした症例」という題目でお話いただきました。
まず、ご自身が今欠損歯列の評価に使っているKA367(Key of the Dental Arch 367)(欠損歯列の評価と補綴計画立案のためのツール)のお話をしていき、研修医終わってすぐに担当した患者さんの分析をしていきました。
コーヌスクローネの臨床的特徴と問題点や製作方法の種類と特徴を丁寧にまとめてお話いただきました。
研修医終わってからすぐに担当した患者さんと4年間のコーヌスを含む補綴治療が終わった時の2ショットの写真の笑顔がとても印象的でした。
④飯田 可奈恵 先生(東京医療センター 歯科口腔外科)
「日常臨床で遭遇する全身疾患を有する患者への対応ーMRONJ、抗血栓薬内服患者を中心にー」という題目でお話いただきました。
2014年の米国口腔外科学会(AAOMS)ポジションペーパーを元に投薬と抜歯についてまとめて、実際に起こったMRONJの画像を見せていただきました。
自覚症状や他覚症状が全くない状態から始まり顎骨内に広がるMRONJには悪性腫瘍のような進行性病変の恐怖を少し感じました。
⑤新開 善文 先生(エムズ歯科クリニック祐天寺)
「歯肉退縮に対して根面被覆を行った症例」という題目でお話いただきました。
1年前に歯周外科に本格的に興味を持った新開先生は、この1年で勉強した事や勉強法、実際に臨床で起ったことなど体験談的に3つの症例を振り返っていきました。
Dr.Zucchelliの台形弁での根面被覆に始まりバイラミナエンベロープテクニックなど、シェーマや画像での切開線とフラップデザインの説明はとてもわかりやすかったです。
⑥【PR】プルデンシャル生命 山田 達郎氏
今回協賛いただいたプルデンシャル生命 山田さんより「院内キャッシュフローと院外キャッシュフロー」のお話をしていただきました。
自身がインストラクターを務める歯科戦略MG(日本歯科新聞に掲載)で得られる院内の経営面からの知識と家族や家庭で必要なお金の流れを人生という長い大枠から考えてお話していきました。
歯科戦略MGは定期的に開催されます。ゲーム進行の都合上、数名での限定のセミナーになりますので、ご希望の方はお早めに山田までご連絡ください。ライフプランの相談も随時受け付けているそうです。
理事会人事
会長の覚本先生より今年6月からの海外留学のお話がありました。
覚本先生はニューヨーク大学のインプラントプログラムに2年間留学予定です。
海外留学までの手順や現地で頼りになるアプリやツールなど、留学だけではなく海外旅行でも使える知識を教えてくれました。
海外留学に伴い理事が来年度から変更になります。
会長 覚本貴仁から来年度4月より杉田大に変わります。
その他人事の詳細は後ほど公開いたします。
変わらぬ歯想会へのご支援をよろしくお願いいたします。
総括
今回は年度末にふさわしい賑わいを見せた例会でした。
発表してくださった5人の先生は大変お疲れ様でした。
文献に裏打ちされた知識とそれを行う確かな実力を拝見することができました。
自分も襟を正されたと感じる参加者の先生も多くいたと思います。
先生たちのこれからのご活躍を確信しています。またこのような機会で
発表してもらえたらうれしいです。今回はありがとうございました。
来年度は人事が変わり、また歯想会も大きく変化いたします。
会の運営にご協力してくださる人がいましたら自薦他薦問わず運営部までご連絡ください。よろしくお願い致します。
最後になりますが、会場を貸してくださいました麻布デンタルアカデミーの立山様 加藤様、誠にありがとうございました。