2024年10月20日に開催された第7回歯想会総会では、泉福先生と細谷先生の講演が行われ、訪問診療から医院経営とインプラントまで幅広いトピックが取り上げられました。今回の総会には多くの歯科医師と歯科衛生士が参加し、講演と懇親会を通じて有意義な情報交換が行われました。
泉福隼人先生の講演:口から食べることを諦めない
#訪問診療における実践事例と認知症ケア
泉福先生は、訪問診療における興味深い症例を紹介し、特に胃ろうを装着していた患者が、経口摂取へと回復したケースについて詳しく説明しました。この症例では、患者の口腔機能のリハビリを通じて、再び食事を口から摂取できるようになった経過が報告されました。訪問診療の現場では、患者の身体的な状態だけでなく、家族やケアスタッフとの連携が重要であると強調され、継続的なサポートが患者のQOL向上につながることが示されました。
また、講演では認知症の種類とそれぞれの対応方法についても解説されました。認知症の進行具合や症状の違いによって、患者とのコミュニケーション方法や治療の進め方が変わるため、適切な対応が求められるとしています。泉福先生は、特にユマニチュードというケア手法を取り入れ、認知症の高齢者に対して優しく接することの重要性を紹介しました。ユマニチュードは、優しい言葉掛けや目線を合わせたコミュニケーションを通じて、患者の心の安定を図りながらケアを行う技法であり、その効果について具体的な事例を交えて説明されました。
細谷梓先生の講演:#マイニチインプラントいかに患者さんによろこんでもらえるインプラント治療を提供できるか?
#医院経営と低侵襲インプラント治療
次に、細谷先生は医院経営の成功事例を元にした講演を行いました。居抜きで買い取った医院をどのようにして立て直し、経営面でも臨床面でも成功を収めたかが詳細に語られました。特に患者満足度向上を目指した経営戦略やスタッフの教育が成果を上げたことが強調され、これから開業を控えていたり、開業したばかりの参加者が多い歯想会にとって非常に参考になる内容でした。
さらに、細谷先生はインプラント治療における「4Sコンセプト」を紹介しました。4Sとは、「最小限」、「短期間」、「安全性」、「シンプル」を意味し、患者に負担の少ないインプラント治療を提供するための指針です。これに基づき、従来よりもはるかに短期間で安全にインプラントを提供することが可能になった症例について、圧巻の症例を交えながら解説されました。特に治療期間の短縮と術後の回復が早い点が患者にとって大きな利点であると強調され、多くの参加者が関心を寄せました。
懇親会:海南鶏飯にて交流
総会終了後には、水道橋近くにある海南鶏飯にて懇親会が開かれました。30人弱が参加し、細谷先生を囲んで和やかな雰囲気の中、食事と会話が楽しめる場となりました。参加者同士で活発な意見交換が行われ、講演内容についての議論や今後の展望が語られるなど、非常に充実した時間となりました。シンガポール料理の美味しさとともに、終始笑顔の絶えない会となり、総会の締めくくりにふさわしいひと時となりました。
今回の総会を通じて、訪問診療や医院経営の課題、最新のインプラント治療技術に関する貴重な情報が共有され、参加者全員が多くの学びを得ることができました。
また今回ご協賛いただきました株式会社4DXと株式会社soeasyのみなさまもありがとうございました。
これからも歯想会をよろしくお願いいたします。