みなさんこんにちは。
若手歯科医師や歯科衛生士を対象として定期的に活動しているスタディーグループの歯想会です。
今回は、3月6日に広尾の麻布デンタルアカデミーで行われた第10回の例会の模様をお伝えします。今回は年度末ということで、症例報告を中心に今年1年を振り返りながら5人の先生に発表していただきました。
①医療法人敬友会 都筑キッズデンタルランド
秋山 翔太郎 先生
「抑制下治療をトレーニングによって回避できた症例と私が普段行
秋山先生は卒業2年目という中で都筑キッズデンタルランドの院長という責任ある立場で診療をおこなっている大変努力家な先生です。
子どもに安心感を与える院内の様子、診療チェアーや設備、実際の診療の流れや保護者へのご説明など医院の紹介から興味深い内容でした。
症例発表では写真や動画などを多く取り入れ信頼関係とスピードと正確さが求められる小児歯科診療の大変さや難しさを再確認するとともに秋山先生の診療の素晴らしさを拝見させて頂きました。
②平井歯科医院
大和 咲紀 先生(DH)
「患者さんの口腔内を良好に保つために〜
大和さんは平井歯科というスタッフもチェアーも多くインプラントのオペも行う大きな歯科医院でDHとして患者さんの口腔衛生に携わっています。
口腔環境を良好に保つために、歯科衛生士として何をすべきかということで今までにTBIをおこなっていった患者さんのモチベーションの度合いをグラフ化し、なぜこのような結果になったのか?モチベーションアップに成功した例、または上手く行かなかった例を考察し症例ごとにまとめて発表していただきました。
歯周病とは生活習慣病であり、患者さんの意識を変えていくことはとても重要な事です。
今回の発表ではDrとDH協力して患者さんの口腔環境を良くしていく大切さを認識させられるものでした。
③エル歯科医院
李 彰謙 先生
「重度歯周炎患者に対して悲観血的処置にて治療を行った1症例」という題目で発表していただきました。
李先生は歯科医師である御父様の歯科医院で2人で診療をなさっております。ハードな診療をこなしながら勉強会にも参加されているとても勉強家な先生です。
今回の発表は、昨年の年度末の症例発表の時と同じ患者さんで、その1年後ということで、前回のあらすじから発表していただきました。
「歯周病は歯ブラシで病態を落ち着かせることができる。」というのをまさに実践している症例で、新たな器具・薬、派手なオペなどに目を囚われがちになってしまうところを初心に戻してもらえるそんな発表でありました。
今回は前回に加え補綴の前処置である矯正的アプローチまで加えて、セファロ分析やMTMの内容まで発表していただきました。
写真が多く大変わかり易く、今後の補綴治療の終わった後の発表が今から楽しみであります。
④医療法人D&H かめだ歯科医院
飯田 雄太 先生
「患者満足度の高い総義歯を作るために」という題目で発表していただきました。
飯田先生は義歯やIODで有名である亀田行雄先生の元で診療なさっている先生です。
学生時代や研修医時代から患者さんの為に休みも夜も惜しまず勉強や技工に邁進する大変努力家な先生です。
総義歯学という奥深い学問を患者満足度という視点で飯田先生が普段なにを大事にして義歯を扱っているのか概念・その作り方について始めに発表していただきました。
症例発表では、自分が最初に作った義歯がどこが悪かったのか、そして改善点を考慮して作ったもう一つの義歯はどうなったのか。画像と動画を用いて大変わかり易く発表していただきました。
患者さんの満足度を上げる秘訣が垣間見れてとても興味深い発表内容でした。
⑤神奈川歯科大学 歯周病学講座
山田 峻太朗 先生
「重症の歯周病患者を非外科処置にて治療した一症例」と「大学院留学するまでに踏んだ11個の段階」という題目で発表していただきました。
山田先生はこの春から歯科先進国であるスウェーデンのマルメ大学顎顔面外科に留学予定です。
研修医時代から海外の歯科医療に興味を持ち多角的に国際目線の歯科というものを肌で感じているグローバルかつ大変意欲的な先生です。
症例発表では重症ペリオ症例のポケット数値を非外科で改善し最終的にコーヌスを行うという簡単には真似できない素晴らしい症例を発表していただきました。
そして、スウェーデンへの留学までにあった数々のエピソードを紹介していただき、歯科の世界は色々なところでつながっているということを認識でき、人との縁を大切にし、色々なことに挑んでいく姿勢を教えてくれました。
これからのご活躍が楽しみです。
総括
以上5名の先生からの発表がありました。先生方、準備や発表をありがとうございました。
去年からまたパワーアップして、とても内容が濃いものとなりました。質問も活発に行われ、同年代の先生の診療をみる事ができる貴重な機会でした。
今回の会が、刺激になったり、それに焦ったりということがあると思います。
自分に足りない部分が見えるということは、またひとつステップアップすることができるチャンスができたということです。
日々の診療をこなすだけで疲れてしまい、勉強する機会が少なくなってしまうとは思います。この同年代が多い歯想会を有効に使いただ聞くだけの勉強会ではなく、自分の得意なところ、不得意なところをまとめて発表することで理解を深める勉強の仕方も良いと思います。
ぜひ発表したい方は気軽に連絡をください。
最後になりましたが、会場を貸していただいた麻布デンタルアカデミー様ありがとうございました。
編集 杉田 大